今秋上演!『半神』が野田演出×韓国人キャストのもと新生!!
少女漫画界の大御所、萩尾望都さんの短編漫画「半神」を原作に、萩尾さんと野田が共同で戯曲化した『半神』。1986年に本多劇場で初演されて以来、1988年、1990年と再演を重ねた、夢の遊眠社時代の代表作です。エディンバラ国際演劇祭でも発表され、劇団解散後もNODA・MAP第6回公演として1999年に上演。美しくも儚く残酷なその作品性は、今もなお高い人気を博しています。
この度、昨年『THE BEE』English Versionが正式招待された韓国の国立劇場の一つ、明洞芸術劇場からの熱いラブコールにより、『赤鬼』以来9年ぶりの日韓共同制作が実現しました。全役オーディションで選ばれた韓国人俳優たちと野田、そして野田作品に欠かせないデザイナーの面々が集結。この秋、<野田演出×韓国人キャスト×日本人デザイナー>のもと、『半神』が新生します!
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インターネットの時代は、「自分」の時代である。みな、自分にばかり向き合い、世界からの情報も、自分好みにデザインされる。それは「自分」にとっては、最も生きやすい時代であるけれど、同時に「他者」と生きることが、どんどん難しくなっているということでもある。演劇は、そんな時代にあって、とてもアナログであり、「他者」との関係でしか成立しない芸術である。時代遅れであるといえる。だが、残念ながら、どんなに新しい技術が生まれ出ようとも、「人生」はアナログである。
この「半神」という、双子の物語が誕生してから三十年近くなるけれども、いまだ、普遍性を持っていると、私が信じられるのは、まさに「人生がアナログ」であるからだ。つまり、「他者」との関係でしか成立しない「生きる」姿がこの作品にあるからだ。
韓国の劇場で芝居を作るのは、三度目である。私のパスポートには、たくさんのハングル文字のスタンプが押されている。私は、この地で、たくさんの新しい「他者」と出会い、そして「生きて」、作品を生み出す幸運に恵まれた。幸せ者だと思う。この2014年の夏、私はまた、ここで「生きる」。そして「創る」。アナログ的に。
ソウルにて 野田秀樹
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東京芸術劇場×明洞芸術劇場 国際共同制作
原作・脚本:萩尾望都
脚本・演出:野田秀樹
出演:チュ・イニョン チョン・ソンミン オ・ヨン イ・ヒョンフン イ・ジュヨン パク・ユニ
イ・スミ ヤン・ドンタク キム・ジョンホ キム・ビョンチョル ソ・ジュヒ チョン・ホンソプ
※やむを得ない理由により、出演者等変更の可能性がございます。予めご了承ください。
美術:堀尾幸男 照明:服部基 衣裳:ひびのこづえ 選曲・効果:高都幸男 振付:謝珠栄
美粧:柘植伊佐夫 宣伝美術:吉田ユニ レジデント・ディレクター:ソン・ギウン